The Japanese Chapter of

マインドフルネス統合認知行動療法 日本公式サイト

本サイトはMiCBT INSTITUTEの許可を得て運営しています。

自主シンポジウム ブログ

第36回心理臨床学会 自主シンポジウム 翻訳作業を通して 栗田

投稿日:

MiCBT 練習のピットフォール  〜翻訳作業を通して〜

Bruno A. Cayoun先生が書かれた “Well-Being and personal growth”の翻訳作業が現在続行中である。その作業を通して私は、練習でのピットフォールと、私たちの何がそこへ陥らせてしまうのかについて書かれている箇所に注目した。

どれほど私たちが熱心に練習しているつもりでも、正しく行われないのであれば、私たちはどれほど時間をかけようが習得することはできない。また、ピットフォールを知るということは、私たちが普段なかなか意識化できない身体感覚や感情、思考と言った心の性質を知り、MiCBTの基盤となる考え方を深く理解するということにもなったように思う。

練習中に出てくる悩みや不安には、「思考が止まらない」「感覚をちゃんと感じているのか確信が持てない」「面白くない、退屈だ」「問題にしている症状が増悪する」「感覚が分離していて全く感じられない」等があるようだ。それに対して、不安、あせり、自責感、失望、不安や怖れと言った不快な感情と不快な身体感覚が生じる。その際にとってしまう対処方法が、今回ピットフォールと名付けたものである。それは主に次の2つである。一つは、教示とは異なる我流の練習方法を編み出して行うこと、そして練習を断念してしまうことである。我流の練習方法としては、CDの音声教示に従わず、自分が感じやすいところだけスキャンするとか、不快な感覚が出てくるところのスキャンは省いてしまう、ずっと思考と格闘し続けて練習する、疲労から横になって練習する、CDの声の好き嫌いで練習方法を変える、等々。

これらの行動は、私たちの心の癖が原因となっている。「気持ちの良いことは続いて欲しい」というような『快を求め、不快を避ける』心の癖、また「何か特別なことが起こってほしい」という『期待』、「練習で症状が消えるはず」「練習がうまくいっているとリラックス感があるはず」といった『思い込み』など。

それらの心の癖を乗り越え、正しい練習を行うために必要なのが、中立的な態度(equaminity)である。それは、経験の快・不快や強烈さに関わらず、心は非反応的で、体験、思考、感情、感覚と脱同一化している状態である。教示通りの練習を忍耐強く続けることによって、この態度を徐々に獲得してゆく。すると、どのような感覚であっても選り好みせず、感覚の強弱と関係なく、どれも平等に見ることができるようになり、感覚の暴露が自ずと起こることになる。その結果、私たちは学習されたどのような反応からも自由になることができる。

そしてその態度は様々な変化に遭遇しながら生きていく私たちの人生の中でも発揮されることになるのである。

文責 栗田

-自主シンポジウム, ブログ

Copyright© マインドフルネス統合認知行動療法 日本公式サイト , 2018 AllRights Reserved.