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マインドフルネス統合認知行動療法 日本公式サイト

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MiCBTの特長

マインドフルネス統合認知行動療法(Mindfulness-integrated Cognitive Behaviour Therapy略して MiCBT)は、伝統的なマインドフルネス瞑想のトレーニングと認知行動療法の原理を完全に統合させた画期的な心理療法です。ここでは、構成部分である認知行動療法とマインドフルネスの簡単な説明や基盤であるモデルの解説を通して、MiCBT の特長をまとめます。

認知行動療法は、

機能不全な思考の内容を機能的なものに変えることで、感情や行動を改善することを試みます。一例を挙げると「どうせ失敗するから」と考えて何も行動していなかったところを、「失敗してもいいから」と考え方を変えることで行動パターンも変えていくようにするのです。このアプローチは多くの心理的疾患の症状を軽減してきましたが、もう一方で、経験的証拠や臨床データ、そして私たちの日常的な体験上においても、あまり効果がないこともよく報告されています。その典型的な例は、「頭では失敗しても別にいいからと知っているのに、不安な気持ちはおさまらない」「子供に怒鳴るのはもう絶対にしたくないのに、気がつくと怒鳴ってしまっている自分がいる」などのように、思考や知識だけでは感情や行動が改善しないときです。それどころか、改善しよう、快復しようという希望や努力こそがよけい問題を悪化させることもあると、PTSD やパニック障害、慢性疼痛などの研究結果に報告されています。

思考や知識だけでは感情面や行動面に思うような変化が現れない理由は、

認知行動療法では殆ど意識されていない重要な要素があり、それが陰から(でもないのですが)私たちの行動、学習、思考、感情に至るまで、直接的あるいは間接的にコントロールしているからです。その「陰の要素」がどのようにして生じ、どのように他の要素に影響しそして循環していくかをまとめたものが「強化の共発生モデル」と呼ばれる神経現象論モデルで、MiCBTの理論的根拠の基盤となるものです。

共発生モデルでは、

体の感覚に対する私たちの反応が、私たちを色々な行動に追いやると説明します。もう少し詳しく言うと、私たちが体に感じる感覚を不快に思うときは、それを回避するための行動に走り、体に感じる感覚を快く思うときは、それをもっと感じるための行動に走るということです。先ほどの例を使うと、頭では「もう怒鳴りたくない」と思っていてもつい怒鳴ってしまうのは、怒りの感覚が体にあるときはそれを嫌がる癖が私たちには強くあり、とにかくその嫌悪感を減らすということが陰で最優先されて、つい「怒鳴る」など嫌悪感を減らす手段に習慣的に走ってしまい、結果的に怒鳴りたくないという意志は一時的に後ろに押しやられるからなのです。別の例を挙げると、健康のために飲酒や煙草をやめようとしてもうまくいかない話はよく聞きますが、これも体の感覚に対する私たちの反応の癖が私たちの行動を陰からコントロールする典型的なパターンです。飲酒や喫煙するときのリラックスした感じ、あるいは楽しくなるような感じもやはり体の感覚なのですが、これをもう一度味わいたいという執着の癖が、せっかく立てた志に反して私たちを飲酒や喫煙に追いやるのです。さらには、飲酒や喫煙が不快な感覚を回避するための手段の一つとなっている人には、快い感じをもっと味わうという理由だけでなく、ストレスがたまってむしゃくしゃしたときの嫌な感じを減らすためにも飲酒や喫煙する理由があるわけですから、禁酒・禁煙の志を貫くことは倍難しくなるのです。

体の感覚というものがどんなときに生じるのか、

それは、私たちが評価的な思考を持つときに共発生するのです。体の感覚が生じる生理学的な詳しい説明は省きますが、ここで重要な点は、どんなものごとに関してであれ「これは自分にとって良くないこと」と評価すればその人の体に不快な感覚が生じ、逆に「これは自分にとって良いこと」と評価すれば快い感覚が生じるというしくみです。偶発的に、なんでもかんでも評価するというのは、感覚に反応することと同じくらい根強い、私たちのもう一つの癖です。要するに私たちは、自分に関連づけてものごとを評価しては体に感覚を生じさせ、そうとは知らずにその感覚を嫌がって回避の手段に走ったり、別の感覚を渇望してもっと感じるための手段に走ったりしているのです。 強化の共発生モデルが示す私たちの一連の癖に、現実のありかたをもう一つ要素として加えてみましょう。この世の全てのものごとがいつも変転しているということ、永続するものは何一つとしてないということは、誰も否定することのできない現実です。ということは、自分なりの手段に頼って嫌な感覚を減らし快い感覚を持続させようとしても、事象の変転のせいで遅かれ早かれ同じ手段では同じ効果が得られないときが来るのです。はじめのうちはお酒を飲むとストレスが減ってリラックスできていても、ストレスの度合いやアルコールへの耐性の変化で、同じ量では同じ効果が得られないときが出てきます。あるいはお酒の量が増すにつれて、たとえリラックス度は増したとしても、家族からの不満が増えたり自分の体を壊したりと別の不快な体験が生じることもよくあります。つまり嫌な感覚を避けようとしているのに避けられない、快い感覚をもっと味わいたいのにそれが叶わない。これが苦しみの本質です。さらに、大抵の人はその苦しみを「自分にとって良くないこと」と評価するので、そこで不快な感覚が新たに共発生し、また回避できないと苦しみのサイクルがもう一周追加されるのです。つまり「嫌な感じを減らしたい」「でも減らない」「減らないのは嫌だ」とあがけばあがくほど嫌な感じが増えていくのです。共発生モデルが示すこの過酷なようでありきたりなしくみが、人生に苦しみがつきものである原因です。 苦しみの原点が感覚に対する評価やそれに続く回避反応や執着反応であることに気づいた釈迦は「では、何の評価も反応もしないまま、しっかり感覚を感じるようにすれば苦しみは無くなる」と実践し、その方法を説きました。その教えを忠実に継承してきたビルマのヴィパッサナー瞑想を、心理療法目的で再構成したものがMiCBTのマインドフルネスのトレーニングです。

苦しみの形が、

鬱、不安症、恐怖症、薬物依存症、摂食障害、パニック障害、強迫神経症、PTSD、慢性疼痛など異なって表れていても、MiCBTでは全て同じ苦しみの原理を持つものとして、同じようにマインドフルネスを使って介入します。どんな感覚でも敏感に気づき何の評価も反応もしない、というマインドフルネスの技術をクライアントに教え、系統的に日常に適用させることで感覚に対する中立的な姿勢が具わり、長年回避していたことがらも平気でこなせたり、執着していたものごとを気楽に手放せるようになるのです。頭で「こうした方がいいのに」と思いながら実行できなかったことが、なんだか急にできるようになり「こうした方がいい」という思考にも100%賛同できるようになるのです。つまり、マインドフルネスで感覚を受け入れる技術を身につけると、行動も認知も無理なく変えることができ、多種多様な心理的疾患でも根本から変革していけるのです。

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